名付け

2003年9月2日
 汚れ、失い、裏切り、虚像に包まれているとしても、それすら真実の姿なのだろう。

 僕は知っていた。僕が見えない部分ですらまた貴方の一部なんだと。その果てしない心の闇も、また失うことのない輝きも紙一重だということを。

 ちっぽけな繋がりのようで、それは果てしなく、治ることのない風邪のように、いつまでも平伏すのだろう。

 分かっている。分かっているはず。ただ、時が流れる無常さに怯えて、取り残される自分を呪って。

 行く先に待つものに絶望と名付けた。

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